創業54年目を迎えさせて頂きました。

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僕の記憶の中では変わらぬ風景です。

幼い頃、お店のバックヤードが僕の遊び場所で
そこには甘い香り、ホイッパーのなる音、そして職人さんの作業をする姿を見て僕は過ごしました。

学校が終われば誰もいない自宅ではなく、両親が働くこの場所へ戻ります。

ベルギーの修行から帰国した際も真っ先に
この場所へ戻り両親が働く姿を見て
少し穏やかな気持ちになれたのを昨日の事の様に覚えています。

54年前からこの商店街の片隅に佇む洋菓子店は
お世辞にも今の時代に合った便利な場所とは
言えないと思います。
でも、僕にとってここは単なる場所ではなく、この街で共に生活をされている多くの方々の
支えと共に私達が積み重ねてきた想いが歴史と共に詰まった大切な場所だと思っています。

「便利な場所」ではなく、「誰かにとって特別な場所」。
そうありたいと思います。

むやみやたらに量産するのではなく、時代の流行や他人の価値観に縛られずモノの価値、そして世代を超えて愛着を感じて頂けるお店でありたい。

私達、エメラという洋菓子店を通して束の間の豊かさを感じてもらえるそんな
「丁寧なモノ作りをする街のお菓子屋」
でありたいと思います。

先代(父）がそれを望んでいたように。